2006年09月14日

綴り字のシーズン (2005 アメリカ)

FXBA-28666.jpeg

監督:スコット・マクギー/デヴィッド・シーゲル
出演:リチャード・ギア ジュリエット・ビノシュ フローラ・クロス
   マックス・ミンゲラ ケイト・ボスワース


宗教学者の大学教授ソール・ナウマン(リチャード・ギア)は、家では家事もこなす理想的な夫にして良き父親だった。しかし11歳の娘イライザ(フローラ・クロス)は、何ごとにも完璧を求める父の愛情はすべて優秀な兄アーロン(マックス・ミンゲラ)に向けられていると感じ、寂しさを噛みしめる。ところがある日、イライザは学校のスペリング・コンテストで優勝すると、地区大会でも圧倒的な強さで勝ち進む。イライザの才能はソールの学術的な興味を強く刺激し、彼の関心はアーロンからイライザへと一気に傾く。しかしある秘密を抱える母ミリアム(ジュリエット・ビノシュ)は、全国大会へ向け特訓に励む父と娘の姿を不安な目で見つめていた。





スペリングコンテスト、日本ではほとんど馴染みがないですね。
難解な単語の正確な綴りをどれだけ暗記できているかを競う競技で、毎年900万人が参加する「頭脳オリンピック」とも称される大イベントらしい。
日本で言うと漢字検定みたいなもん?
主人公イライザがこのスペリングの才能を開花させていくのと同時に、平穏に見えた家族の関係がどんどん綻んでいくというストーリーですが、ちょっと見る人に伝わりにくい部分が多い作品かも。

ユダヤ人であり、自らもユダヤ教の神秘主義カバラの研究者である父ソールは、常に優秀な長男をかまい、ごく平凡な娘にはほとんど関心を示さなかった。
ところが、彼女が学校のスペリング大会で優勝したと知ると、態度は一変する。
大会で勝ち進むにつれ、娘には、神の境地に達する能力があると信じるようになる。
自分が長い間研究しても到達できなかった境地。
熱心に指導する父に、娘も期待に応えようと努力する。
そんな二人を見て、何故か精神不安定になっていく母親と、反抗的になっていく息子。
一番分かりやすいのは、息子の行動。
自分に向けられていた父親の関心が妹に注がれるようになって面白くない。
ユダヤ教でもない、カトリックでもない異国の宗教、ヒンドゥー教にのめりこんだのも、反抗心から、父親が心酔する『神』とは全く違ったものに行き着いたんだろう。
でも母親の行動はよくわからない。
幼い頃両親を亡くした時の記憶がフラッシュバックで度々現れ、人の家に侵入しては「光るもの」を盗んで集める。
ラスト近くに、それは何年も前から続いていたことがわかるけど、そんなことを続けながらも表面上は良き妻、良き母親であったのが、何故イライザが優勝したのがきっかけに大きく崩れてしまったのか、それが分からない。

また、イライザの能力についても説明不足だと思う。
宗教が絡んでくるから、よけいに難解になる。
結局、彼女は父親の言う「境地」に達したのか?あの昏倒は何だったのか。
決勝での行動、あれで家族を救うことになるのか?
見終わった後は疑問でいっぱいだったけど、いろいろ考えるうち、少し分かるような気がしてきた。
相手の本質を見ようとしない、ある意味自分勝手で独りよがりな父親。
彼自身は傍目から見れば実によく出来た父親で、自分自身もそれを自負している節があり、周りの者にも理想的な形であろうとさせる存在だったのかもしれない。
それが妻の精神的負担になり、息子も父親の「支配」に気づき、逃れようとする。
娘も家族がバラバラになりつつあるのを感じる。
それでも娘の才能に固執し、大会でも優勝することが当然のように思っている父親に、イライザはちゃんと家族一人一人に目を向けてほしかったんだろう。
そうだとしても、やっと親に褒めてもらうことの心地よさに目覚めたのに、親にとって自分の存在が誇れるものであることは、きっと誰でも喜びだろうに、ある意味自分を犠牲にしたイライザの行動は、とても子供の選択とは思えない。
長い間関心を向けられず、やっと愛情を実感し始めたことで家族が壊れ、何の罪も無い自分を責める幼い彼女の心中を思うと、少し切ない。
ニックネーム yupu at 01:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 た行

2006年02月27日

タイタス (1999 アメリカ)

asby-1887.jpg

監督:ジュリー・テイモア
出演:アンソニー・ホプキンス ジェシカ・ラング 
   ジョナサン・リス=マイヤーズ アラン・カミング
   アンガス・マクファーデン マシュー・リース

ローマ最高の戦士タイタス(アンソニー・ホプキンス)はゴート族との戦いに勝利し、女王タモラ(ジェシカ・ラング)と3人の息子、アラーバス・カイロン(ジョナサン=リス・マイヤーズ)・ディミトリアス(マシュー・リース)を人質に凱旋する。しかし、ローマでは亡き皇帝の長男サターナイアス(アラン・カミング)と弟パシアナス(ジェームズ・フレイン)が帝位継承を巡り争いを繰り広げている最中で、裁定を委ねられたタイタスはサターナイナスを皇帝に指名し、自分の娘ラヴィニア(ローラ・フレイザー)を嫁がせようとするのだが……。





 舞台「ライオンキング」の演出家ジュリー・テイモアの映画初監督作品。シェイクスピアの戯曲『タイタス・アンドロニカス』を斬新な演出で描いた愛と復讐のドラマ。帝位を巡る野望に、愛情・復讐心・親子愛が入り乱れ、ひたすら残虐の限りが尽くされる内容。グロテスクな表現もあるけど、古代と現代がミックスされてあまり現実味がなく、映画なんやけど舞台を見ているよう。私自身はこういう演出は嫌いじゃないので、特に混乱もしないし。でもダメな人はダメだろう、という内容。
すごいですねー、人間って。ほんと残酷。やられたらやりかえせ。野心と欲望と憎悪は留まるところを知らない。そのへんの描写をリアルに感じ取ってしまう人にはキツいかも。ていうか、実際中世史を少しでも学んだことがあるなら、みんな一番恐ろしい動物は人間だって知ってるはず。現代的な衣装と映像美、そして過剰なまでの演出があるからこそ、醜悪な人間の所業がお伽噺か、あるいは若干コメディチックにも見える。そうでなければ、観賞後はもっと陰鬱とした気分になるに違いない。
ニックネーム yupu at 14:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 た行

2005年12月24日

デューン/砂の惑星 (1984 アメリカ)

pibf-7387.jpg

監督:デヴィッド・リンチ
出演:カイル・マクラクラン ホセ・フェラー ポール・スミス
   フランチェスカ・アニス スティング ショーン・ヤング

時は、人類が恒星間帝国を築き上げた遥かな未来。
皇帝シャダム四世(ホセ・フェラー)は、不老不死の薬として使われる薬物メランジの唯一の産出星である惑星アラキスを、従弟にあたる公爵レト・アトレイデス(ユルゲン・プロホノフ)に新たな領土として与えた。しかし皇帝はレトを失脚させようと、密かにアトレイデス家の仇敵ハルコネン男爵(ケネス・マクミラン)と手を結び、公爵一家を襲撃させる。レトの息子ポール(カイル・マクラクラン)は、母ジェシカ(フランチェスカ・アニス)と砂漠へ逃れ、惑星アラキスの原住民フレーメンの集団に紛れ込み、皇帝と男爵を討つ機会を待つ。




この作品はフランク・ハーバートの壮大な原作を映像化したもので、はっきりいって興行はダメダメ、デヴィッド・リンチ自身も失敗だったと公言してます(汗)
原作ファンにも評判は悪い。ま、でもこういうことは昔も今もよくあって、映画のような限られた枠に上手く押し込める事は難しい。
レビューを見ると酷評してる人も多いけど、個人的には大好きです、これ(笑)
原作は読んでないので、どう違うのかとか、何がどう描き切れてないのかとか、そういう点でのマイナス面は感じないし、この作品を機にリンチ作品の常連となるカイル・マクラクラン+レトのライバル・ハルコネン男爵の甥フェイドを演じた若き日のスティング、この二人目当てに見るだけでも価値ありと思うのは私だけでしょうか?
何より、私はこの世界観が好き。
醜悪でいかにも悪役なハルコネン男爵、砂漠の民フレーメンの蒼く滲んだ瞳、砂漠に住む巨大なミミズのような生物サンドウォームに乗って突撃する場面…。
DVD買うぞ。
ニックネーム yupu at 01:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 た行

2005年06月27日

チョコレート〜MONSTER'S BALL(2001 アメリカ)

dvf-47.jpg

監督:マーク・フォスター
出演:ハル・ベリー ビリー・ボブ・ソーントン ヒース・レジャー

死刑囚棟の看守ハンク(ブリー・ボブ・ソーントン)は父譲りの人種差別主義者。息子のソニー(ヒース・レジャー)を亡くした彼は、同じく息子を亡くした黒人女性レティシア(ハル・ベリー)と出会い、その穴を埋めるかのようにお互いを求め合い始めるが、レティシアは、ハンクこそ死刑囚だった自分の夫の刑を執行した男だと知らない…。




ハンクが、息子が死んだと打ち明ける場面が一番胸にきた。どんなに後悔しても息子は生き返らない。静かな口調に、息子を死に追いやった自分を責める心の内が痛いほど察せられた。そして ハル・ベリーの黒人女性初のアカデミー主演女優賞というニュースに驚いた。75回を数える長い歴史の中で、今まで一度も黒人女性に主演女優賞が与えられなかったということをこの時初めて知った。差別問題を扱ったこの作品での受賞、そして人種の坩堝アメリカにいまだ根付く黒人差別の現実。思えば確かに、白人と黒人の世界は今もなおくっきりと線引きされている。しかし、少しずつではあるけれども、二つの世界は交わり始めている。そんな未来を感じさせる穏やかなラストシーンがいい。
ニックネーム yupu at 00:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 た行

2005年06月26日

DEEP IMPACT(1998 アメリカ)

tsdw-33304.jpg

監督:ミミ・レダー
出演:ロバート・デュヴァル ティア・レオーニ イライジャ・ウッド
   ヴァネッサ・レッドグレーヴ マクシミリアン・シェル 
   モーガン・フリーマン

ホワイトハウスの女性スキャンダルを追っていたテレビ局のジェニー(ティア・レオーニ)は、偶然1年後に未知の彗星が地球に衝突する可能性があることを知る。大統領(モーガン・フリーマン)はこれを阻止すべく彗星を核爆発させて軌道修正するプロジェクトが実行、しかし結果は失敗。衝突が刻一刻と迫る中、ついに大統領は地下に選ばれた100万人だけを移住させる計画を発表するのだった……。




まさに世紀末!過ぎてみれば何ともなかったですね〜(笑)とりあえず「アルマゲドン」と両方観ましたが、こちらの方が私は好きです。世間的には賛否両論(というか、こっちの方が評価低め、、、)ですが、まぁ人それぞれというか(汗)他人のレビューを読んでみると、私がこの映画の良さだと感じている部分がマイナス面だと感じる人もいて、つくづく人に映画を薦めるのは難しいなと。双方の違いはどこに焦点を当てて描いているかで、こちらは地球に残され隕石が衝突するまでの間、それぞれの思いで過ごす人々を描いたヒューマンドラマ。専門的に見ると、彗星爆破に関する部分で科学的矛盾もあるようですが、そんなのは素人には分かることではないから無視しましょう。知識人として地下シェルターに入る資格を与えられたジェニーと、地上に残される両親。彗星を爆破して地球を救う使命を負った宇宙飛行士達と、彼らの無事を願う家族。やっぱり映画は人をどう描くかですよ。
ニックネーム yupu at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 た行

2005年05月23日

The Thomas Crown Affair(1999 アメリカ)

thomas.jpg

監督:ジョン・マクティアナン
出演:ピアース・ブロスナン デニス・レアリー レネ・ルッソ

若き大富豪、その実態は天才的美術品泥棒というミステリアスな男、トーマスクラウン(ピアース・ブロスナン)。彼を怪しいと睨んで捜査する女捜査官キャサリン(レネ・ルッソ)だが、彼女の心もやがてクラウンに奪われてしまう……。




ピアース・ブロスナンって、もうこういう完全無欠で
女にモテモテな役のイメージしかないんですが(笑)
やることはセンスが良くてスマートで。
レネ・ロッソも○歳でこのプロポーション…ビックリっす。
しっかし金持ちの暇つぶしにしてもやりすぎでしょ(汗)
<以下ネタバレ>
最初に絵を盗む時も、不自然に鞄を置いて立ち去るのはヘンだし、
鞄にも額にも指紋が付いてるはずだし目撃者が一人もいないっていうのはおかしい。
最後の見せ場も、最初はおぉ〜っと思ったんだけど、よく考えてみたら
油彩と水彩の違いくらい見れば分かるやろってことで。
ニックネーム yupu at 23:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋画 た行